著者
高見 勇一 佐竹 恵理子 伴 紘文
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.427-432, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
16

【目的】小児の初回無熱性発作の再発率を検討する. 【方法】2008年11月1日から2012年10月31日までに初回無熱性発作があった生後1カ月以上16歳未満の250例を無治療で前方視的に観察した. 再発率はKaplan-Meier法を用いて計算し, 再発リスク因子の単変量解析はCox proportional hazards modelを用いた. 【結果】135例 (54%) が再発した. 再発例のうち, 37例 (27%) が1カ月以内, 71例 (53%) が3カ月以内, 95例 (70%) が6カ月以内, 118例 (87%) は1年以内に再発していた. 初回発作後の再発率は, 0.5年, 1年, 2年, 5年でそれぞれ38%, 47%, 54%, 58%であった. 再発リスク因子では, 症候性, てんかん性脳波異常, 8歳以上, 部分発作の熱性けいれん既往で再発率が高かった. 【結論】原則的に初回発作で抗てんかん薬治療を開始すべきではないが, 再発率や再発リスクを考慮することは重要である.