著者
佐々木 充文
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.65-70, 2015-12-12

フィールド言語学では, ときに, 話者数・研究者数ともに少なく, 電子的に利用可能な辞書や言語 処理パッケージはおろか, 表記法すら存在しないような言語を記録・保存・分析する必要が生じ る. 本稿では, こうした少数言語のうち, 語形変化が比較的複雑な言語のドキュメンテーション を, わずかな労力で自動化する手段として, (i) 多層式の活用形総生成型辞書, (ii) 対話型の半自動 スクリプトの利用を検討し, その利用例として, メキシコの複統合的な先住民語であるナワトル 語 (Nahuatl) の未記述の一方言におけるグロス生成の例を報告する.