著者
佐伯 圭介
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.428-431, 1997-09-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
9

老人性紫斑に対して動物性コラーゲンが奏功した症例を経験した. 70歳男性, 脳梗塞の既往があり, 6年前にも胃癌に対し亜全摘+再建術が施行された, 鉄欠乏を伴う貧血と残胃潰瘍のある終日臥床の患者. 抗HCV抗体陽性.胃部不快感が強く薬物治療が困難な上, 紫斑はびらん・潰瘍を伴っており, 14週間各種の保護・外用にも全く反応せず. 本症例に対し, 血管を丈夫にし老化を防止するとされる豚足アキレス腱部のゼラチン化食(339/日)を治療として応用できないかと考え投与してみたところ, わずか3週間で略治したので報告し自験例について近年のコラーゲンに関する文献をもとに考察を試みた.