著者
佐條 研 三好 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.365-368, 2008-02-28

アドホックネットワークにおける脅威として,ブラックホール攻撃が問題となっている.ブラックホール攻撃とは,攻撃ノードが経路応答パケット(RREP)を偽装することにより目的地ノードになりすまし,送信されるデータを不正に受信する攻撃方法である.従来のルーティングプロトコルでは,シーケンス番号の値が大きなRREPほど新しい経路として選択されるため,攻撃にはシーケンス番号が利用される.攻撃が成功すると,データは攻撃ノードに送信され,正常な通信が行われない.従来手法として,通信頻度を考慮した中継ノードによるブラックホール攻撃の防御法の提案がされているが,誤認に対する影響が大きいという問題がある.本稿では,ブラックホール攻撃に対する新たな防御手法として,指数バックオフに従ったブラックリストを用いた防御法を提案する.指数バックオフを用いることで,ノードに応じて適応的にブラックリストを機能させる.シミュレーションにより,従来手法よりも提案手法が有効であることを示す.