著者
佐治 信之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.477-478, 1986-10-01

近年のLISPの応用範囲の拡大に伴って、LISPの使える環境の整備及び拡大が求められている。最近のマイクロプロセッサの発達によって、パーソナルユースにおいても32ビットのプロセッサが使われるようになることが予想され、より広い分野においてLISPの使用が今後本格化してゆくと思われる。当社では今年32ビットの汎用マイクロプロセッサとしてV60を発表した。V60は、広いセル空間と十分な実行速度のLISPを提供することが可能なプロセッサであり、V60上にLISPを実現することでLISP分野のニーズに効果的に対応することができると思われる。またV60は32本の汎用レジスタ、豊富なアドレッシングモードを備えており、効率的なリスト処理が可能なアーキテクチャでもある。そこでV60をターゲットとするLISP処理系を試作することにした。この試作ではLISPの関数を網羅することよりも、自己拡張が容易なカーネルを提供することを第一に考えた。本論文においては、このLISPシステムとその中核的存在であるコンパイラの構成法について考察する。

1 0 0 0 CLOSの実現

著者
景山 辰郎 河津 祐子 高橋 陽徳 佐治 信之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.73-74, 1991-02-25

筆者らは,Common Lisp上のオブジェクト指向言語拡張であるCLOSを実現した.本稿では,はじめにの基本的なCLOSオブジェクトの構造について述べる.次に,処理系の実行効率の向上を主眼にメソッドの適用について述べる.次に,CLOSの振舞いを決定するメタオブジェクトプロトコルについて述べる.