著者
佐治 重豊
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.614-618, 2001-12-01 (Released:2017-05-25)

科学情報倫理の中で医学雑誌に関連する問題として, 医学と言う特定分野での基本倫理を紹介した上で, 編集・査読者と執筆者からの倫理問題を概説する.基本倫理では医学雑誌は医療関係者を対象に執筆・出版されるため, 特定の購読者に対する相互理解と啓蒙が主目的である.しかし, 出版後は医療行政面や医療行為の適切性の評価にも用いられ, インターネットを通じて患者や患者の家族も情報入手が可能となり, 新たな倫理が生じている.編集・査読者としては審査機構の質が問題となるが, 採用・不採用の判定段階で「不良論文を見逃すエラー」と「新しいアイデアと独創性に満ちた論文を不採用にする危険」, 査読上のsingle blindとdouble blind制の是非などがある.著者の倫理として基礎・臨床研究段階での倫理, 高度先進医療や臨床研究での学内倫理委員会, 医薬品臨床試験でのIRBとGCPの遵守, 投稿段階での二重投稿の禁止などである.さらに, 標準的な邦文誌として著者の属する日本消化器外科学会雑誌での現状を紹介する.
著者
佐治 重豊
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.614-618, 2001-12-01

科学情報倫理の中で医学雑誌に関連する問題として, 医学と言う特定分野での基本倫理を紹介した上で, 編集・査読者と執筆者からの倫理問題を概説する.基本倫理では医学雑誌は医療関係者を対象に執筆・出版されるため, 特定の購読者に対する相互理解と啓蒙が主目的である.しかし, 出版後は医療行政面や医療行為の適切性の評価にも用いられ, インターネットを通じて患者や患者の家族も情報入手が可能となり, 新たな倫理が生じている.編集・査読者としては審査機構の質が問題となるが, 採用・不採用の判定段階で「不良論文を見逃すエラー」と「新しいアイデアと独創性に満ちた論文を不採用にする危険」, 査読上のsingle blindとdouble blind制の是非などがある.著者の倫理として基礎・臨床研究段階での倫理, 高度先進医療や臨床研究での学内倫理委員会, 医薬品臨床試験でのIRBとGCPの遵守, 投稿段階での二重投稿の禁止などである.さらに, 標準的な邦文誌として著者の属する日本消化器外科学会雑誌での現状を紹介する.