著者
佐藤 かつら
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.36-44, 2007-10-10 (Released:2017-08-01)

明治八年九月大阪・角の芝居で上演された勝諺蔵作「早教訓開化節用」は、錦絵新聞が典拠であることを考察した。またその内容は、当時の事件を「白浪五人男」と「縮屋新助」という既存の黙阿弥作品にあてはめたものであることを見た。主人公の一人である錦織熊吉という巡査、新しい時代における新しい職務を担った人物が抱えた苦悩を、既存の物語によってあらわし、観客に新時代の人物を理解させる価値をもった内容であると考えた。
著者
佐藤 かつら
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.36-44, 2007-10-10

明治八年九月大阪・角の芝居で上演された勝諺蔵作「早教訓開化節用」は、錦絵新聞が典拠であることを考察した。またその内容は、当時の事件を「白浪五人男」と「縮屋新助」という既存の黙阿弥作品にあてはめたものであることを見た。主人公の一人である錦織熊吉という巡査、新しい時代における新しい職務を担った人物が抱えた苦悩を、既存の物語によってあらわし、観客に新時代の人物を理解させる価値をもった内容であると考えた。