著者
佐藤 久泰
出版者
北海道農事試驗場北農會
雑誌
北農 (ISSN:00183490)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.240-250, 2009-04

2007年3月から2008年2月まで、海外で支援活動を行っているコンサルタント会社の契約社員として、パレスチナ自治区のJICAプロジェクトに参加致しました。パレスチナ自治区は、なかなか出かけることが出来ないところですが、小泉元首相が2006年7月イスラエル、パレスチナ、ヨルダンと4ヵ国協議を開催し、中東地域の「平和と繁栄の回廊」構想を提唱して、その取り組みを協議していくことで合意し、我が国が中東和平に貢献することになったのです。それ以後、パレスチナ自治区で幾つかのプロジェクトが立ち上げられ、JICAのプロジェクトとして活動が始まりました。しかし、中東は紛争地域であり、滞在も3ヵ月と制限されているため、他のJICAプロジェクトとは異なり、コンサルタント会社の委託事業として事業を推進しています。プロジェクトに参加することになったのは、ブラジルのプロジェクトで一緒に活動した方からぼくが参加するのにぴったりのプロジェクトがあるので、参加してみませんかと誘われたのです。それで窓口の会社と主に電子メールでやりとりをして、参加することになったのです。アラビア語と英語圏なので、英語で十分対応出来ませんと申したのですが、通訳を付けてくれるということになり、1年間の契約で参加致しました。ここでは、パレスチナ自治区の諸事情をご理解頂きたいことと、主に農業の実態について紹介したいと思います。