著者
西藤 聖二 佐藤 政宏 舞野 大輔 田中 正吾
出版者
The Society of Life Support Engineering
雑誌
ライフサポート (ISSN:13419455)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.96-104, 2010 (Released:2012-10-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

本論文では,精神作業と音環境が脳電気活動に与える影響を評価するために,不快音/快音を聴きながら精神作業課題を遂行したときの脳波の振幅変化を調べた.α波の振幅は音刺激(5KHz 単音とパッヘルベルのカノン)を聴いたり,精神作業課題(暗算と記憶)遂行したり,あるいは両方を行ったときに,安静時のα波の振幅に比べて約15∼20%減少した.そのような振幅抑制は,α波の時間的位相揺らぎの15∼30%の増加と対応していた.特に,低域周波数のα波の振幅の低減割合は,組合せストレス,すなわち暗算と不快な5KHz音の条件下で25%に達するが,暗算単独で行ったときや5KHz単音単独で聴取した場合には15.20%の低減率に留まる.一方,β波とγ波の振幅はほとんどのストレス条件下で有意な変化を示さなかった.この結果は,音と精神ストレスが低域α波を抑制しており,ストレス計測において考慮されるべき点であることを示している.