著者
五藤 周 北野 良博 内田 広夫 四本 克己 石丸 哲也 小熊 栄二 野沢 久美子 佐藤 裕美子 川嶋 寛 岩中 督
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.687-692, 2007-07-31 (Released:2008-08-29)
参考文献数
12

当センターで現在行っている腸重積症非観血的整復術の特徴は, (1) “Rule of Three” (3feet≈100cm溶液柱圧, 3分, 3回) を遵守する (2) 太径 (30Fr. から36Fr.) の注腸用カテーテルを使用する (3) 超音波下に整復を行う (4) 7.5倍希釈ガストログラフィンを注腸する, といった点であるが, 開設以来, いくつかの点で変更を行った。今回, 1983年5月~2005年12月の間に当センターで経験した, 特発性腸重積症645例を後方視的に検討し, 当センターの非観血的整復術の成績を患者背景, 整復法の変遷とともに報告する。当センターの通算の非観血的整復率は83.6%であった。多重ロジスティック回帰分析を行うと, 低年齢, 長い経過時間, 前医での整復不成功の3つが非観血的整復率を低下させる危険因子であった。