著者
佐藤 鉄男
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.87-105, 2017-12-20

倒産手続では、利害関係者に広く事件情報を知らせる意味で公告が多用される。その公告は官報による公告で、近時はインターネットでアクセスが容易になっている。しかし、今も破産者を蔑視する風潮が残っているため、公告がインターネットを介して広く拡散することは、破産者の更生を妨げるのみならず、そもそも破産の利用を躊躇させる弊害にもつながる。信用情報及び手続情報としての公告の必要性と個人情報としての要配慮性をどう調整すべきか。問題提起と今後の方向性を模索した。