著者
余傳 節子 國方 弘子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.1_99-1_108, 2020-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
37

本研究は,地域で生活する精神障害者が他者や集団との関わりで「自己有用感」を回復するプロセスについて明らかにした。地域で生活する精神障害者10名に半構成的面接を行い,M-GTAを用いて分析した。その結果,1つの【コアカテゴリー】と6つの《カテゴリー》が生成された。地域で生活する精神障害者は,《他者から気にかけられる喜び》《他者とつながる安心感》を持つことで自己の存在を確認し,《他者からの受容感》を得て,自己も受容していた。この体験を行き来しながら《他者と支え合う自負》を感じ,自己の存在への自信を感じ始めていた。さらに,《他者や集団の役に立つ満足感》を得ることで自己の存在意義を確認し,社会に目を向け《社会的価値を模索する責任感》を持ちながら生活していた。以上の「自己有用感」回復のプロセスは,精神障害者が僅かなことから自己の存在意義や存在価値を見出す自分なりの【生きる意味の集積】であった。
著者
余傳 節子 國方 弘子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20191010072, (Released:2020-04-02)
参考文献数
37

本研究は,地域で生活する精神障害者が他者や集団との関わりで「自己有用感」を回復するプロセスについて明らかにした。地域で生活する精神障害者10名に半構成的面接を行い,M-GTAを用いて分析した。その結果,1つの【コアカテゴリー】と6つの《カテゴリー》が生成された。地域で生活する精神障害者は,《他者から気にかけられる喜び》《他者とつながる安心感》を持つことで自己の存在を確認し,《他者からの受容感》を得て,自己も受容していた。この体験を行き来しながら《他者と支え合う自負》を感じ,自己の存在への自信を感じ始めていた。さらに,《他者や集団の役に立つ満足感》を得ることで自己の存在意義を確認し,社会に目を向け《社会的価値を模索する責任感》を持ちながら生活していた。以上の「自己有用感」回復のプロセスは,精神障害者が僅かなことから自己の存在意義や存在価値を見出す自分なりの【生きる意味の集積】であった。