著者
作田 和幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.575-588, 1991

JICST北海道支所開設10周年記念講演の収録である。新聞という情報を生み伝えるメディアに携わってきた者の目から,"情報"の持つ様々な側面を検証し,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報社会への展望を述べた。まず'80年代,'90年代の情報社会の特徴を分析し,その延長線上に起こった「ベルリンの壁崩壊」「湾岸戦争」を素材に「情報の虚と実」を例証している。またグラスノスチで変貌するソ連社会に関し,体験も踏まえ,情報の社会に与える影響を述べ,そこから高度情報社会の脆弱さを指摘するとともに,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報化社会の理念として高度環境社会について言及した。