著者
依田 恭二
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.247-254, 1974-12-31
被引用文献数
8

1. 1971年7月と1973年2月に, 西マレーシア・ネグリセンビラン州のパソー保護林にあるIBP研究地域で, 光合成有効日射量および林内相対照度の日変化, 垂直分布, 水平分布に関するくわしい測定を行った. 2. 乾期にあたる1973年2月中旬の光合成有効日射量は, 平均約260cal/cm^2・dayで, その0.4%が地表に透入した. 3. 林内のいろいろな高さでの相対照度の日変化曲線は, 朝やや低く夕方やや高い傾向を示したが, これは測定場所の特性のようであった.また, その変動は直射光照度の変化とマイナスの相関を示した. 4. おなじ高さにおける林内相対照度の頻度分布曲線は, 対数正規分布とよく一致した.したがって, 相対照度の代表値としては, 測定値の幾何平均を用いるのが適当であることがわかった. 5. 林内相対照度の平均値の垂直分布は, 森林の垂直成層構造と密接な関係を示し, 高さ48-55mにある巨大高木の樹冠層, 4-32mの範囲にわたる連続的な高木層, 4m以下の低木層の3層が区別できることを示した.各層内では, 相対照度は高さとともに指数関数的に減少し, 層内の葉面積密度の垂直分布がほぼ一様であることが推定された. 6. 上記各層の直下での平均相対照度は, それぞれ30%, 1%および0.4%であった. 7. 森林内の相対照度の三次元的配列があきらかにされた.