著者
元村 拓 金森 昌彦 信清 正典
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.126-131, 2001 (Released:2008-07-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

単純X線像における椎間板腔の高さ,あるいはその断面積がMRIにおける変性度を反映し得るかを検討した.対象は外来患者45人(平均年齢:49.4歳)である.MRIにおけるL3/4およびL4/5高位の椎間板変性をSchneidermanの分類で評価し,単純X線側面像における椎間板腔の測定法として,(A法)本来の椎間板の前方a,中央b,後方cの和を椎体の前後径dで割る方法.(B法)骨棘を含めた椎間板の前方a ’,中央b’,後方c’の和を骨棘を含めた椎体の前後径d’で割る方法.(C法)画像解析により椎間板の面積S1と椎体の面積S2を測定し,そのピクセル比で比較する方法の3つを使用した.その結果A法およびB法ではMRIにおける椎間板変性の程度と呼応していることが分かった.Schneiderman分類における“marked”あるいは“absent”のcut-off値は約0.6∼0.7と考えられた.