著者
福嶋 正巳 倉光 英樹 長尾 誠也
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

鉄ポルフィリン触媒による臭素系難燃剤テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)の酸化分解に及ぼす腐植酸の影響について検討を行った。これまで研究を行ってきた塩素化フェノール類とは異なり、TBBPAは鉄ポルフィリン触媒による脱ハロゲン化が起こりにくく、主としてオリゴマーが生成する酸化重合が優先的に起こることがわかった。したがって、腐植酸を共存させたときには、TBBPAやBPsの酸化生成物と腐植酸とのカップリング化合物が生成し、その転化率は50-60%程度であった。また、藻類(P.subcapitata)成長阻害試験によりTBBPAのみを酸化した場合と腐植酸を共存させた場合に関する毒性評価を行ったが、腐植酸の共存によりTBBPAの毒性が低減することを明らかにした。