著者
元廣 高之 真田 俊明 大道 道大 浜田 吉則
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.1777-1780, 2004-11-01
被引用文献数
6 5

症例は60歳の男性で,平成14年2月7日に突然,激しい腹痛を認め来院した.腹部単純X線と腹部CTでは拡張した小腸ガス像と鏡面形成を認めた.腹部超音波検査では,キーボードサインと腹水を認め,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.開腹すると,S状結腸間膜に直径約5cmの異常裂孔が存在し,小腸が貫通して絞扼されており,S状結腸間膜裂孔ヘルニアと診断した.術後経過は良好で第10病日に軽快退院した.成人のS状結腸間膜裂孔ヘルニアはまれであり,文献的考察を加えて報告した.