著者
松浦 誠 八田 茂嘉
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.27-31, 1975-03-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
6

柑橘類の訪花害虫であるコアオハナムグリについて, 野外成虫の卵巣の発育経過および産卵数などについて調査した. 7月下旬以降に出現した新世代の個体は,すべて年内には交尾, 産卵を行なわず,越冬直後まで卵巣はまったく未発達の状態で, 卵細胞と栄養細胞はともにみられなかった. 越冬後の訪花開始により交尾が行なわれ, 卵巣の発育が始まり, 産卵は5月下旬より8月中旬まで続いた. 1雌虫の産卵数は9-42卵(平均21.6±9.1卵), 産卵期間は2-82日(平均37.1±21日)でこの間に2-10日(平均5.0±2.0日)の産卵日がみられた. また1回の産卵数は1-21卵(平均4.4卵)であった.
著者
松浦 誠 八田 茂嘉
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.21-24, 1971

本報では温州ミカンを加害するサンホーゼカイガラムシの天敵についての調査結果を述べた.<BR>捕食種として, ヒメアカボシテントウ, トビイロケアリ, チャミノガの3種, 寄生蜂として, ハネケナガツヤコバチ, <I>Prospaltella</I> sp., <I>Aphytis</I> sp. <I>Physcus</I> sp.の4種が認められた. 優占種はヒメアカボシテントウとハネケナガツヤコバチであったが, 前種はアシガルトビコバチ, 後種はマダラツヤコバチにそれぞれ寄生をうけた. これらの天敵の年間発生消長, 寄生様式, 攻撃発育態などの知見も述べた.