著者
六川 暢了
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.387-393, 2002-11-29 (Released:2010-05-31)
参考文献数
9

重油系燃焼灰からの有価金属の回収を目的として, 火力発電所の電気集塵器から排出された燃焼灰からの有価金属の浸出および浸出液からの金属イオンの分離について検討し, 重油系燃焼灰からバナジウムおよびニッケルを回収するプロセスを開発した。本プロセスは主に浸出, 溶媒抽出および晶析工程からなる。燃焼灰中のバナジウムおよびニッケルは過酸化水素水溶液により浸出し, 浸出されたバナジウムはトリ-n-オクチルメチルアンモニウムクロライド (TOMAC) により抽出し, 水酸化ナトリウム水溶液によりバナジウムを逆抽出し, 次に, 抽出残液中のニッケルは2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシム (HNAPO) により抽出し, 硫酸によりニッケルを逆抽出する。分離されたバナジウムおよびニッケルはエタノールによりそれぞれ金属塩として回収される。