著者
兼松 芳之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.288-295, 2012

情報が集まる図書館は,資料管理等の面で自然と情報の管理を行ってきた。一方,情報サービスの面では情報および知識の管理はこれからという状況である。そこで,この10年前後におけるナレッジマネジメントと図書館の動きを振り返ると共に,図書館の情報サービスにおけるナレッジマネジメントの一例として,国立国会図書館のレファレンスサービスにおけるナレッジマネジメントとツールを紹介する。具体的には,国立国会図書館の近年のレファレンスサービスに関連する知識のマネジメントについて,共同化,表出化,連結化,内面化の4ステップと照らし合わせながら,インフォメーションカード, FAQ機能,REX,リサーチ・ナビ,レファレンス受理処理,レファレンス協同データベースというツールを提示したい。