著者
堀尾 福子 池田 徳典 石黒 貴子 瀬尾 量 内田 友二
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.2021-041, 2022 (Released:2022-03-02)
参考文献数
18

感染症によるパンデミックを収束または制御する手段として期待されるワクチン及びその接種では,ワクチン接種希望者へ安定的かつ速やかに供給と接種を提供できる体制を構築することが重要である.その課題の一つとして接種の打ち手の確保がある.欧米では薬剤師もワクチン接種の打ち手となっているように,今後日本でも薬剤師が貢献できる可能性が期待される.このような背景により,学部4年生を対象とした上腕筋肉注射シミュレータを用いた実習を実施し,その効果を検証した.実習前と比較し実習後では,筋肉注射の知識・技術のどちらも向上しており,かつ高い満足度が得られた.さらに,学生の自信獲得にも繋がっており,自己効力感が育まれたと考えられた.また,「今後役に立つ」「学んでおくべき」と考える学生が実習後では増加し,学生の意識にも変化をもたらした.これらの結果より,学部教育における筋肉注射実習は有用な実習であると考えられる.