著者
内田 史江 谷垣 靜子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1_35-1_43, 2017-04-20 (Released:2017-06-09)
参考文献数
36

本研究は,在宅療養がん患者の折り合いを支えるため,訪問看護師によって行われている看護支援の内容に着目し,よりよい看護支援方法を考察するための研究である。5名の看護師を対象としてフォーカス・グループ・インタビューを実施した。結果,在宅療養がん患者の折り合いを支える看護支援を説明する3個のコアカテゴリーが導き出された。それは,【自分らしい生き方を支える】支援を始点として,【がんとともに生きる生活を支える】支援と【支援環境の調整により在宅生活を支える】支援を相互に関連させるという構造が明らかとなった。在宅療養がん患者の折り合いを支えるには,【自分らしい生き方を支える】ことを根底に看護支援を行うことの重要性が示唆された。