著者
内田 寛樹
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.31-46, 2007-03

開国以降、衰退の一途を辿った長崎港と、対外貿易で繁栄した横浜港の貿易構造を、明治前期の産業構造や交通体系の変化から考察する。さらに両港の居留地における邦商の商権回復運動の動向を考察し、結果として長崎が近代的な新産業資本の確立を行い得ず、「日本の」長崎から「九州の」長崎へと地位を落としたこと、横浜は対照的にそれを行いえて、日本を代表する貿易港に成長したという、両港の明暗を分けた要因を探る。