著者
花村 高行 青木 仁史 内田 絵理子 萩原 俊彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-12, 2008-01-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

アセロラはアスコルビン酸含量の高い果実として知られている.アスコルビン酸は必須栄養素としてだけでなく,美白効果をもつ美容素材として化粧品や健康食品に広く使用されている.アセロラの美容効果についてはin vitro試験での有効性は報告されているが,ヒトを対象とした試験の報告は見当たらない.我々は40代の閉経前の健康な女性について,アセロラ果汁飲料の12週間摂取による美容効果をアスコルビン酸含有飲料およびアスコルビン酸を含有しない飲料を対照として二重盲検並行群間比較法により検討した.美容効果の評価は機器による評価,被験者による肌状態のVAS法を用いた自己評価および皮膚科専門医による肌状態の評価により行った.その結果,被験者の自己評価および医師の評価ではアセロラ果汁飲料は2種類の対照飲料より,肌状態に対して高い効果を示した.従って,これらのアセロラ果汁飲料の美容作用には,アスコルビン酸だけでなく他の成分の関与が示唆された.しかしながら,機器による評価では対照とアセロラ果汁摂取で明確な違いは認められなかった.