著者
内藤 典子 山口 晴保
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.106-110, 2018-02-16 (Released:2018-03-28)
参考文献数
17

認知症の地域包括ケアは,家族を含めた関係者が認知症の定義や特徴を踏まえ,本人と家族が不安なく過ごすことができる環境を整備することにより達成される.環境を整備するにあたっては,その残存機能を活用しつつ生活機能を高め,ADL,IADL,社会的な活動を維持するのに必要なリハビリテーションが各地域内で提供されるよう調整されることが望ましい.本稿では,認知機能そのものへのリハビリテーションや,認知症による生活障害へのリハビリテーション,さらには脳卒中など合併症へのリハビリテーションについて,その対応原則を含めて解説した.これらの包括的な取り組みにより,認知症の人が「認知症という困難」を抱えながらも安心して暮らし続けられる地域をめざそう.