著者
斉藤 二郎 内藤 和章 岡田 純二
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, 1976-09-15

地下構造物を建造する場合, 付近の構造物に変状を与えないための防護工はきわめて重要であるが, その防護工の一つとして, 注入工法が採用されることが多い。特に, 軟弱な粘性土地盤においては, 脈状注入による圧密効果をねらって注入工法が採用される。ところで, グラウトとして, 発泡性のきわめて優れたものを使用すると, 従来の無発泡性グラウトに比して, 発泡圧力の作用により圧密促進が倍加されると考えられる。この論文は, 軟弱地盤中のシールド掘進に伴う橋脚などの防護にこの発砲グラウト(OH-GROUT)を使用し, その注入効果および固結効果について検討を加えている。検討の結果, 発砲性グラウトは軟弱地盤改良にかなり有効であることが判明した。