著者
冨本 真理子 郭 育仁
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.2, pp.11-31, 2019-03-29

本稿の目的は、鈴鹿大学における授業科目「鈴鹿学」「モータースポーツマネジメント」のこれまでの実践を振り返り、2019年4月に本学に設置される国際地域学部におけるこれら地域志向科目の役割について考察するものである。地域志向科目「鈴鹿学」「モータースポーツマネジメント」は、単なる地域を学ぶだけの機会ではなく、キャリア形成の場として位置付けてきた。これらは、2019年に設置される地域志向性の高い国際地域学部において、あるいは県内高等教育機関連携事業においても、重要性を持つ科目であることがわかる。鈴鹿大学にとっての国際地域学は、①国内外の地域学に学び、アカデミック志向と生涯学習志向の両方を待つ、②対象となる地域は、一地域に限定されるべきではない、③単なる地域学習ではなく、地域資源活用、地域課題解決等の実践的な活動や、個の主体形成まで広がりを持つ、④大学だけでなく、産業界や行政との協働の取り組みも含む、といった方向性が考えられ、今後も引き続き議論を重ねる必要がある。