著者
冨樫 純一
出版者
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科日本語学研究室
雑誌
筑波日本語研究 (ISSN:13424793)
巻号頁・発行日
no.7, pp.15-31, 2002

談話標識「まあ」の諸用法を観察し、「まあ」の持つ本質的な機能について検討した。「まあ」が現れる現象を観察した結果、情報そのものではなく、その情報が導出される処理過程と密接な関わりがあることが認められた。さらに、「まあ」の現れる位置、および独り言で使用可能な点を考慮すると、「まあ」の本質的機能は「処理過程の曖昧性を標示する」ものと捉えることができる。また、聞き手への働きかけを示す「まあ」については、本質的機能からの派生、「曖昧性」が及ぼす効果と説明することで、「まあ」の統一的な位置付けが可能となることを示した。
著者
冨樫 純一
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
no.48, pp.77-93, 2005

感動詞「ええ」には、イントネーションの異なりによる3種の機能が認められる。 (1)ええ、そうですね。 (2)ええ? そうなんですか? (3)ええ-、なんでしたかねぇ。 (1)は下降調イントネーションで、肯定や承諾を示す。(2)は上昇調イントネーションで、いわゆる問い返しを表す疑問の表現である。 ...