著者
小川容子 出口 友康 村尾 忠廣
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.74(1995-MUS-011), pp.49-53, 1995-07-21

テーマ辞典をもとにフレーズ開始の音程がアナクルーシスを形成するものを選び出し、これを音程、音長別にわけて分析した。その結果、音程で上行4度と1度、音長で1:2と1:1が双璧をなすアナクルーシスであることが明らかになった。(両者の組み合わせから実際には4つの典型的パターンが抽出される。)これを基に、典型的アフタクトの音程2種類と、そうでない音程1種類、これに典型的な音長2種類とそうでない音長1種類の3種類を組み合わせることによって合計9つのパターンを作り出した。これらのアナクルーシスは、そうでないパターンと演奏上どう区別されるだろうか。パターンの違いによる違いはどうか。さらに、音長間係の楽譜からの逸脱を示す一般的な演奏傾向との関係はどうか。本研究は、以上の一連の研究の途中報告である。