著者
村尾 忠廣 疇地 希美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.31-38, 1998-08-07
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究では次の3点について明らかにする。1)60?90年代の日本のポピュラーソングのリズムを日本語の音数律にしたがって統計分析し、年代ごとのパターンの特徴を示すこと。分析の中心は3文字文節が拍節的にどう処理されてきたかという問題で、これは小泉文夫によってすでに提起されていたが、今回あらたに変形2(詰め込み型)を設けて分析、このパターンが90年代の特徴という結論をえた。2)90年代のもう一つの特徴は弱化モーラのシラブル化が外国語のような日本語の歌をつくりだしたことだといわれる。しかし、1音多文字のシラブル的な歌はすでに大正年代の歌にもみられることであり、そのこと自体は中高年世代にとっても難しいことではない。問題は、変形詰め込み型とシラブル化が同時におこり、それによって「配字シンコペーション」がおこってきたことである。そのパターンの頻度を調査すること。3)そうした分析結果ともとに、理論的に90年代の「配字シンコペーション」を作り出し、中高年世代がこれをどう歌うか実験をこころみることである。In this study, we elucidate why the Japanese senior can not sing the pop songs in 90's in terms of syncopated patterns originated by weakened mora. We analyzed and demonstrated the following points. 1) Congruent points between metric accent and the closure points of three mora patterns. 2) Syncopated pattern originated by weakened mora. 3) Composing the typical 90's pop song melody based on the theoretical idea presented above.
著者
藤田 徹 北原 鉄朗 片寄 晴弘 長田 典子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.199-204, 2008-02-09
参考文献数
7

本論文では,アーティストの音楽的特徴を抽出し定量的に扱う手がかりとして,テトラコルド論に着目した音楽分析の結果を報告する.テトラコルド論では,完全4度の音程関係にある2音(核音)と,その中間音(補助音)から作られる音列をテトラコルドと定義し,この音列の組み合わせで様々な音階が作られるとされている.本論文では従来のテトラコルドを内側テトラコルド,補助音が核音の外側にあるテトラコルドを外側テトラコルドと新たに定義し,全48種類のテトラコルドに対してそれぞれの出現確率を調べた.この分析を久石譲,坂本龍一,葉加瀬太郎,小室哲也,西村由紀江の5アーティストと日本民謡,沖縄民謡,クラシックの3ジャンルに対して行った結果, 日本民謡や久石,坂本の楽曲に高い確率でテトラコルドが出現した.また,内側テトラコルドが多いほどメロディの予期性が高く、外側テトラコルドが多いほど意外性が高いことが分かった.さらに得られた出現確率データに主成分分析,線形判別分析による多次元空間へのマッピングを行い,それぞれのジャンルやアーティストの区別にどのようなテトラコルドが寄与しているかを示した.This paper reports the result of a music analysis focused on Tetrachord theory in order to extract and quantify the characteristics of a musician. According to tetrachord theory, a tetrachord is defined as a series of three tones where two core tones are related by a perfect fourth and a single auxiliary tone is placed between the two core tones. From these chordal combinations various types of scales are derived. In this study, however, we define the traditional structured tetrachord as an "inside-tetrachord" and a tetrachord structure where the auxiliary tone is placed outside the perfect fourth as an "outside-tetrachord." We investigated the frequency in which all 48 tetrachords occur to analyse music composed by five Japanese musicians: Joe Hisaishi, Ryuichi Sakamoto, Taro Hakase, Tetsuya Komuro, and Yukie Nishimura, and in three genres: Japanese folk song, Okinawa folk song, and classical music. We found that tetrachords appear more frequently in Hisaishi and Sakamoto's music and in Japanese folk songs. Additionally, the more predictable a melody is the more frequently inside-tetrachords appear, while the more unpredictable a melody is the more frequently outside-tetrachords appear. Furthermore, we showed which tetrachord contributes to distinguish different musicians and music genres by mapping the frequency rate obtained into a feature space using PCA and linear discriminant analysis.
著者
長嶋 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.16, pp.67-72, 2003-02-21
被引用文献数
2

Computer Music音響創作活動の新しい事例報告として2件を紹介する.第一は,2002年8月に名古屋で公演されたメノッティのオペラ"Help Help the Globolinks!"の電子音響パートの作曲で,宇宙人Globolinksの声などを従来のテープに代わってリアルタイム音響合成しライブ公演した.第二は,2002年10月から放送されているSony "Net MDウォークマン"ラジオCM「人体の音楽」編の作曲で,心臓や筋肉のライブ生体情報から楽器音へのマッピングでな直接に生体音響音楽を生成した事例を紹介する.This is a report of two compositopns as applications of computer music. One is the composition of electroacoustic part of the opera called "Help, Help, the Globolinks!" composed by Gina carlo Menotti (1911-). I Composed the alien voices/sounds and other SEs for the opera and performed with a computer in the orchestra pit in real-time. The other is the composition for Sony "Met MD Walkman" radio CM with the theme "human body music". The composition is created with my heart-beats and my hand-electromyogram signals sampled in real-time. Both composition is supported by Max/MSP environment.
著者
渡辺 哲朗 近山 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.113, pp.27-32, 2006-10-27
被引用文献数
6

今日のコンピュータ音楽においては,本来の人間の演奏に内在するずれやゆらぎといった「グルーヴ感」を表現することに困難がある.本研究では,プロのドラマーが実際に演奏したドラム演奏を収録した音源を解析することにより,演奏に内在するグルーヴ感の定量的評価を行い,グルーヴ感を持った「人間らしい」演奏を自動生成するシステムの構築を目指す.本稿においては,演奏中のハイハットシンバルの打点時刻から仮想的なメトロノームの位置を定め,その仮想メトロノームに対する各楽器の打点のずれと打点音量を解析した.その結果,グルーヴ感の種類によって打点のずれの標準偏差や打点音量の平均値に特に大きな差が生じることがわかった.When we create a music on a computer, it is very difficult to express humanlike touch, called"groove feeling". We evaluate groove feeling of drums play quantitatively by analyzing a professional drummer's play, and aim at structuring a system of "humanlike" automatic playing. In this paper, we defined the position of the virtual metronome, and analyzed time-lags between attacks and the virtual metronome and attacks' volume. As a result, we found significant differences in the deviation of time-lags and the mean value of volume between each groove feeling.
著者
福井 一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.53, pp.51-54, 1996-05-25
被引用文献数
3

音楽が内分泌に及ぼす影響については、研究が少ない。この研究の目的は音楽聴取がテストステロン()分泌に及ぼす影響を調べることである。合計70人の被験者(男性60名、女性10名)が二つの条件で実験を受けた:30分の音楽聴取(被験者の好きな音楽、グレゴリオ聖歌、モーツァルト、ジャズ、ポピュラー音楽)と、3)分の沈黙である。その間4回にわたって唾液を採取し、T値(フリー・テストステロン)をRIA法により測定した。その結果、音楽聴取により有意にT値が減少した。分散分析の結果、Tに主効果があり、音楽のカテゴリーとTの間に相互作用が見られた。Tは音楽能力やストレス、免疫反応などとも関係が深い物質である。本実験結果は音楽知覚・認知分野のみならず、音楽療法の基礎研究にも重要な資料となると同時に、音楽の「機能」にもあたらしい光をあてるものと考える。Saliva testosterone (ST) concentration was measured among 70 college students and healthy men and women. Subjects were placed under two different conditions, in which they were given: (1) 30 min of listening to music and (2) 30 min of silence. All the subjects submitted two saliva samples in each condition. ST decreased significantly in the first condition as a whole, while ST increased during the second condition, though not remarkably. ST increased in the Gregorian chants, though the change was not significant. ANOVA revealed that the within-subjects main effect for ST was significant, also that there were signicicant categories-by-ST change interactions. Favorite music had different effects from Gregorian chants, indicating that the patterns of changes in effectiveness of music over a certain duration of time differ depending on the category of music.
著者
西堀 佑 多田 幸生 曽根 卓朗
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.127(2003-MUS-053), pp.37-42, 2003-12-21

被験者に発音タイミングの異なる2つの音を提示し、どちらの音が早く発音されたかを回答させることで、どれくらいの音の遅延を認識できるのかを調査した。その結果得られた最も弁別し易い音(スネアドラムとピアノ)を用いて、楽曲中に遅延を発生させ、演奏にどのような影響をもたらすのかを分析した所、30ms以上の遅延だと認知され、50ms以上の遅延だと演奏が困難になることが分かった。また、遅延時間の提示方法により弁別能力が変化することが分かった。これらの結果を元に、遅延のある演奏系でのリアルタイムセッションの可能性について検討した。
著者
川上 央 三戸 勇気
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.111, pp.143-148, 2004-11-07
参考文献数
16

Rauscher(1993)のモーツァルト効果とはモーツァルトのピアノソナタの第一楽章を聴いた場合,空間課題の得点が上がったというものであるが,この研究ではモーツァルトとサリエリの作品での効果の違いを,3分間の計算課題を行った前後の心拍,血圧,血流量,発汗,脳波を指標に検討した.その結果,モーツァルトとサリエリの作品において,顕著な生理反応の違いは見られなかったが,脳波パワスペクトルのβ1帯域において,楽曲による有意差が見られた.このことより,モーツァルト効果は脳波の一部の周波数に影響を及ぼすのではないかと考えた.The Mozart effect by Rauscher(1993) is an increase in spatial reasoning scores detected immediately after listening to the first movement of a Mozart piano sonata. The purpose of the current study was to assess the effect of listening to Mozart and Salieri on the immediate performance of a 3-min. mathematical test as measured by Hart Rate, Blood Pressure, Local Blood Flow, Perspiration Volume, Electroencephalogram. As results, there were not significantly different between Mozart and Salieri on physiological response except Beta-1 band power of Electroencephalogram. We conclude that the Mozart effect affects only a part of Electroencephalogram.
著者
澤井 賢一 黒木 裕介 松井 知己 合原 一幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.133, pp.13-18, 2006-12-15

本稿では,フルートの運指を最適化する手法と,その最適化モデルに含まれるパラメータのチューニングについて述べる.今回提案する手法ではこの最適化問題を,対象とするパッセージから生成されるグラフの最短路問題に帰着してモデル化した.このグラフは,パッセージ中の音に対する運指の候補を頂点集合とし,隣同士の音に対する運指間に有向辺をつけたものである.頂点間距離には,二つの運指を続けて演奏する際のやりにくさを適切に定めて用いる.また,パラメータを用いて距離を定めており,パラメータの値によって出力される運指が変化する.更に,例えばユーザの使い慣れた運指を教師信号とし,その運指が出力されるようにパラメータをチューニングする問題を逆問題として定式化した.This paper describes an optimization method of flute fingerings and parameter tuning. Our op timization method uses a shortest path problem of a directed graph generated by an objective passage. The vertices are the probable fingerings of the tones of the passage, and the arcs are the pairs of fingerings of the consecutive tones. The distance is defined as suitably designed difficulty in using the fingerings. Besides, this method has some parameters in calculation of distance and outputs different fingerings with the same passage by changing the parameter values. Furthermore, we propose a method of tuning the parameter values based on inverse optimization so as to, for example, get the accustomed fingerings of a certain passage as output.
著者
山田 真司 井村 和孝 新井 裕子 小田 満理子 西村 英樹
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46(1995-MUS-010), pp.21-28, 1995-05-19

音楽演奏者は自らの音楽的表現を行うために、正確に身体運動を制御する能力を有すると考えられる。音楽演奏者の基礎的な時間的制御能力を測定するため、中程度のピアノ演奏能力を有する音楽専攻学生に等間隔タッピングを行わせ、その時間間隔ゆらぎを分析した。その結果、等間隔タッピングの時間的制御に、過去約20 tapの時間間隔を保持する記憶機構が介在することが示唆された。また、様々なレベルのピアノ奏者、打楽器奏者および非音楽奏者に等間隔タッピングを行わせた結果、熟練したピアノ奏者は、非熟練者や非音楽奏者よりもゆらぎが小さかった。また、打楽器奏者は熟練したピアノ奏者よりも時間的制御が優れてはいなかった。
著者
小川 圭祐 久原 泰雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.11-14, 2008-07-30
被引用文献数
2

本システムではライフゲームにおいて複雑に変化するパターンを実演者が操作することによって作成される音楽を目と耳で楽しむことができる実演者はライフゲームのマトリクス上に生み出される 2 次元セルパターンに対して発音の要素を割り当てる.システムは刻々と変化するマトリクス上に定義されたセルパターンを検索し,合致したらそのパターンに対応する音を生成する.合致したパターンの座標情報はルート音,オクターブ,ベロシテイなど発音に関係する属性として用いる.実演者はマトリクス上の生命をマウスで入力可能なので,インタラクティブに意図するパターンを入力し,楽曲生成に介入することができる.ライフゲームの世代更新は実演者が定義したタイミングで行われ,楽曲のグループ感を形成する.複数のマトリックスを同時に稼動させ,マトリックス毎に,パターン割当て,更新タイミング,音色を設定し,アンサンブルを行うことによってライフゲーム・オーケストラを構成する.ライフゲーム・オーケストラは,実演者の意図とセルオートマトンの創発的なパターン変化の融合を目指したシステムである.Our system generates music by dynamically assigning cellular patterns of Conway's game of life to the synchronized sounds. A performer can compose by controlling the complexly varying patterns and the sounds with visual and auditory fun, A performer assigns the elements of tone generation to two dimensional cell patterns in the matrix of the game of life. Our system searches the defined cell patterns in the dynamically varying matrix. If it can match the pattern, the tones corresponding with them are generated. The data of coordinates of the matched patterns are used for the tone elements like as root, octave, velocity, etc. A performer can make a life in the matrix by a mouse drag, and influence to the generating music interactively. The generation is updated by the timing defined by a performer to configure the groove of music. By running multiple matrices with different pattern mapping, update timing, and instruments, their ensemble has become the life game orchestra. The life game orchestra is the fusion system of the design of a performer and the emergence of cellular automata with various pattern transitions.
著者
樋口 拓志 柳田 益造
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.47-52, 2008-12-12

任意の楽曲をコード (和音),リズムの観点からギター伴奏用としてボサ・ノヴァ風に編曲するシステムについて述べている.「シンコペーションとアンティシペーション」 というボサ・ノヴァ特有のリズムを用い,ジャズ理論から借用したコード・コード進行を元の楽曲に適用させることによって,完全自動でボサ・ノヴァ風に編曲するシステムを構築している.ボサ・ノヴァでない 3 曲に対する編曲出力を試験的に聴取した結果,一応の効果が得られていることを確認しているが,音楽としての品質向上が望まれる.Presented is a proto-type system that arranges a given set of melody and its corresponding chord name sequence into a guitar accompaniment score in a bossa nova style. The system consists of subsystems: one that generates the bossa nova rhythm featured with "syncopation" and "anticipation", and the other that gives chord progressions characteristic to jazz. Preliminary evaluation is conducted on system outputs for three non-bossa nova pieces, showing a taste of the genre requiring further improvements in musical quality.
著者
梶原祥平 中村 滋廷
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78(2008-MUS-076), pp.15-20, 2008-07-30

筆者が、「誰でも矢沢永吉のライブのステージにおける気分を体験することができる」というコンセプトで制作を行っているインタラクティブ・メディア・アート作品《独りスーパースターマシン》について解説を行う。30 年以上に渡り、ファンを魅了し続けている矢沢の魅力を、詳細に調査・分析し、インタラクティブ・メディア・アート作品として完成させることで、矢沢が持つステージにおける魅力を新たな視点から、さらに深く理解することができると考えた。本研究報告においては、作品の表面的側面だけでなく、音楽情報科学分野にとっても有益と考えられるシステム的・技術的側面にも焦点を当てて論じる。
著者
井上 政義 入料孝一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.53, pp.39-44, 1996-05-25

音楽では、1つの音はそれ以前の音および次の音との関係で意味をもつ。そこで、ある時間間隔(数個の音符)におけるエントロピーを導入し、このエントロピーの時間変化から音楽を解析する。現に聞いている音(音符)を基準とし、この音との協和性で音にランクをつける。ランクは、同一音のランクを零とし、漸次その協和性の減少にともないランクの数を増大させる。音を解釈しているときに参考にされていると思われるそれ以前の数個の音符の平均ランク数よりこの時点でのエントロピーが求まる。音楽が進行するにつれ、エントロピーが変化していく。同一のエントロピー時系列をもつ異なる音楽から変奏曲が得られ、エントロピーの作図から作曲ができる。我々の解析から音楽の秘密は「カオスの縁のまわりの1/fゆらぎ」と思われる。A time series of entropy of music is introduced, and music is analyzed with the series. The entropy is calculated by an average rank number of several notes whose positions are located just before the present note. The rank number is defined by the degree of consonance between the present note and the considered note. Variations can be obtained with the use of the entropy series of the original music. We obtain the conjecture that the heart of music is thought to be 1/f fluctuation around the edge of chaos.
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝 河合 徳枝 森本 雅子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.18, pp.29-34, 1997-02-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

26kHzをこえる高周波成分は、それ単独では人間に音としてきこえないにもかかわらず、それをふくんだ音は、それを除外した音にくらべて、脳波α波ポテンシャルを統計的に有意に増大させるとともに共存する可聴音をより快適に感受させる効果をもつことをみいだした。この高周波成分のもつ感性効果「ハイパーソニック・エフェクト」について、研究の経緯、使用したシステム、高周波成分の生理学的・心理学的効果などについて概観する。We have developed a new system for sound presentation and a novel technique to measure brain electric activity, and used them to determine if high frequency components above the audible range can influence sound perception in ways not discerned by the method of paired comparisons. We report that high frequency sound induces activation of α-EEG rhythms that persist in the absence of high frequency stimulation, and can affect perception of sound quality.
著者
酒向慎司 宮島 千代美 徳田 恵一 北村 正
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.82(2003-MUS-051), pp.77-82, 2003-08-04

隠れマルコフモデルに基づく音声合成方式を歌声合成に拡張することにより構築した歌声合成システムについて述べる.本システムでは,歌い手の声の質と基本周波数パターンに関する特徴をモデル化するため,スペクトルと基本周波数パターンをHMMにより同時にモデル化している.特に,自然な歌声を合成する上で重要な要素となる音符の音階や音長の基本周波数パターンへの影響を精度良くモデル化するため,楽譜から得られる音階と音長を考慮したコンテキスト依存モデルを構築している.これらのモデルに対して決定木によるコンテキストクラスタリング行うことで,未知の楽曲からの歌声合成が可能となっている.実験から,歌い手の特徴を再現し,なめらかで自然性の高い歌声の合成が可能であることを示す.
著者
矢向 正人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.55, pp.7-14, 1997-05-31
参考文献数
10
被引用文献数
2

音楽分析を十分に行うには,楽譜上の音符の分析に加えて,楽譜上に選択されなかったにかかわらず,選択されることが可能であった音符をも考慮する必要がある。楽譜上の音符の動きがサンギュリエ(一回的で特殊)である場合,選択されなかった音符は,楽譜上の音符の動きに効果をもつと仮説をたてた。選択されなかった音符の効果,楽譜上の音符を用いて聴き手に伝えられるかは,演奏の課題でもある。一方,暗意?実現モデル,代償的グルーピング論は、選択されなかった音符のもつ効果を考慮に入れている。In order to analyze musical works satisfactorily, we should take the notes not selected in notations but might have been selected in them into consideration in addition to the notes really selected. We presume that if the note progressions really selected in notations have singularities, the notes not selected have effects on them. It is important for performers to communicate these effects to listeners through the selected notes. Implication-realization model and compensatory grouping hypothesis take these effects consideration.
著者
青野 裕司 岡野真 一 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.96, pp.21-26, 1998-10-17

本研究は,曲を構成するアクセントを定量的に考察することによって,楽曲の構造が認知スキーマに与える影響を明らかにすることを目指している.本稿では,アクセントを定量的に解析するための一手法を提案する.中高年,壮年,青年といった世代ごとに,歌いやすい歌・歌いにくい歌という分類が存在する.これはおそらく各世代が有する音楽認知スキーマの違いによると考えられるが,歌いやすい歌と歌いにくい歌の特徴的差異を,定性的に考察を行った研究では優れたものがあるものの,定量的に示した例は少ない.本手法を用い,中高年層,壮年層が歌いやすい・歌いにくいとする日本のポピュラー音楽数曲について解析を行った結果を示す.その結果から,本手法が世代別め歌いにくさを評価することができることを示す.This study aims at quantitative analyses of musical accents, and acquiring the relation between musical structures and cognitive schemes of music. In this paper, we propose a technique analyzing the accents quantitatively. Caused by differences of the cognitive schemes between the generations, each generation has its own singable and unsingable songs. Though some good studies analyzed the differences of the songs qualitatively, there are few quantitative studies. Using the technique, we analyze some Japanese popular songs which are singable or unsingable for each generation. The results of the analyses show that the technique can evaluate generational unsingableness.
著者
堀内 靖雄 三井 卓 井宮 淳 市川 熹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.53, pp.21-26, 1996-05-25
被引用文献数
3

本論文では人間二人の演奏を収録、分析することにより、人間がリアルタイムで協調して演奏を行なう動作について考察する。演奏者はお互いに相手の音しか聞こえない条件でアンサンブル演奏を行ない、その演奏が収録された。リハーサル前後の演奏(初合わせの演奏と十分なリハーサル後の演奏)における時間的なタイミングのずれやテンポの変化について分析を行なった。結果として、リハーサルの前に比べて、リハーサル後の演奏の方がずれが減少した。また、収録したテープを演奏者に聞かせ、ずれを指摘させることにより、100[ms]程度以内のずれならば、ずれとして指摘されず、またフレーズの頭のずれに対しては敏感であるということが観察された。Performances by two players were recorded under the condition where they can't see their partner each other, Analysing the performances, the total of time lag between two players performance was reduced after some rehearsal. Then players were asked to point out the part of the score where they had time lag. The results are (1) the time lag within 100[ms] were not perceived as time lag and (2) they were sensitive to the head of a phrase so that they could point out the time lag within 100[ms].
著者
尾花 充 三浦 雅展 柳田 益造
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.111(2004-MUS-057), pp.47-52, 2004-11-06

メロディーに対する印象評価の際には,ゲシュタルト的輪郭を聞き手が認識することが重要であると考えられている.現存するメロディーの多くは動機が繰り返される形で構成されており,こういった形のメロディーは,繰り返された動機を何度も認識することにより記憶されやすくなるであろうと考えられる.この予測のもとに,メロディーの輪郭として類型を5種類設定し,各類型の特徴に関する評価実験を行なった.その結果,それぞれの類型が覚えやすいと感じるかどうかなどといった印象をある程度確認することができた.
著者
平田 圭二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.48, pp.51-54, 2003-05-16
被引用文献数
2

早いもので,情報処理学会に音楽情報科学研究会 (SIGMUS) が発足して10 年が経過しました.そこで,これから 10 年の SIGMUS を支える方々に向けて,「誰も聴いちゃいねえ」といういかにも敵を作りそうな題でより良い SIGMUSを作る話題の一端を提供してみたいと思います.It has been 10 years since the Special Interest Group on Music (SIGMUS) was established. Time flies like an arrow. Then, for those who will develop SIGMUS for this coming 10 years, I would like to just provide a starting point for managing SIGMUS better with the title ``No one listens to it'', which likely arouses someone's antipathy.