著者
山本 泰大 渡邊 紘章 近藤 綾子 出口 裕子 平野 茂樹 櫻井 愛菜 公文 章子 村路 留美子 持山 めぐみ 奥村 佳美 浅井 泰行 小田切 拓也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.303-308, 2020 (Released:2020-11-24)
参考文献数
12

【緒言】小牧市民病院では2018年3月より外来がん患者を対象としたオピオイド導入支援を開始した.本活動前後の変化を比較検討したため,報告する.【方法】対象は2017年1月〜2019年3月に小牧市民病院で苦痛緩和に対して強オピオイドを導入したがん患者で,本活動前後のオピオイド導入時のレスキュー薬,制吐剤,下剤の処方割合,副作用の発現率について比較した.【結果】対象は122名(活動前/後:54/68).本活動の前後でオピオイド導入時のレスキュー薬の処方率は90.7から98.5%に,制吐剤の処方率は63.0から70.6%,緩下剤の処方率は61.1から70.6%と上昇した.STAS-J2以上の副作用は本活動の前後で22.2,13.2%であった.【考察】当院での本活動の実施により患者に合わせた薬物治療の提供,患者の相談機会の増加に寄与することができた.
著者
西田 希久代 遠山 幸男 久野 久美 平野 茂樹 出口 裕子 松田 唯子 渡辺 貴志 山関 知恵 板倉 由縁 斎藤 寛子 長谷川 高明
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.207-213, 2009 (Released:2009-05-15)
参考文献数
12

がん患者は複雑な痛みをさまざまな言葉で表現する. こうした表現から薬剤の効果を推測することができ, 適切な疼痛緩和へつながると考え, 本調査を行った. がん性疼痛のある患者164名から, 529語(108種類)の痛みの表現を収集し, 使用頻度の高い痛みの表現に対するオピオイドおよび非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の効果を評価した. その結果, 「重い」や「どーん」という表現はオピオイドが効きやすく, 「しびれ」や「ぴりぴり」はオピオイドが効きにくい表現であることが推測された. 医療従事者は, 患者の言葉に耳を傾け, 患者の痛みを把握することが重要であり,このことが良好な疼痛緩和につながると考える.Palliat Care Res 2009; 4(1): 207-213