著者
出射 美喜男 武井 昇 吉田 豊彦
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.364-373, 1983-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
3

着色顔料と白色顔料または他の着色顔料とを混合したとき, その色度図上での混色の色度値の軌跡は曲ったり, ループを描いたりすることがある。この事実は古くから知られているが, なぜそうなるかは知られていない。われわれは, 着色顔料のK (吸収係数) とS (散乱係数) の波長依存性の違いによって, 同じ分光反射率分布をもつ顔料でも, 異なった軌跡を描くことを明らかにし, またモデル化したK, S分布をもつ顔料の混合物のシミュレーションによって, 軌跡の形とK, Sの関係を明らかにすることができたので報告する。