- 著者
-
刑部 敦
大久保 憲
- 出版者
- 一般社団法人 日本環境感染学会
- 雑誌
- 日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.2, pp.127-134, 2015 (Released:2015-06-05)
- 参考文献数
- 80
- 被引用文献数
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8
4
わが国におけるクロルヘキシジングルコン酸塩によるアナフィラキシー発生について文献調査を行い,1974年以降84例の報告を検出し,その症例について集計・検討を行った. このうち使用部位及び使用濃度が明らかな77症例において,現在のわが国で承認されている適応範囲外の使用方法による発生が57例(74.0%)であり,適応範囲内の症例は10例にとどまった.また,発生症例の男女比は2.2:1 (男性55例,女性25例)で男性が多く,発生年齢層では小児及び高齢者よりも成年層が多かった(15歳未満が7例,16~64歳が62例,65歳以上が11例). 今回の集計・検討により,クロルヘキシジングルコン酸塩の使用にあたっては,使用部位,使用濃度の適応を遵守することが,アナフィラキシー発生の頻度を低下させるために重要な因子であることが示唆された.