著者
別所 秀子 黒沢 祝子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.317-319, 1967 (Released:2010-02-22)
参考文献数
5
被引用文献数
10 12

アミラーゼインヒビター (AI) の測定法を定め, それにもとづいて小麦粉, その加工品中のAIを検討した。1. 試験したいずれの小麦粉も約30単位/gのAI力を示した。小麦粉加工品のAIはいずれも原料小麦粉のそれより低かった。一般に, 角パンのAIは特に少なく, 一方ミルクパン, ホットケーキなどでは原料小麦粉の約半分或いはそれ以上のAIが認められた。2. 加熱の度合とAI力の変化との関係を角パンについて, その焼き時間との関係に於いてAIを検した結果, 焼き時間と共にAIは減少し, 50分焼いたパンではAIは小麦粉のそれの約7%となった。しかし, 角パンでも中心部には或程度AIが残存していた。ただし, これもトースターで焼くと皆無になることが判った。ホットケーキでは焼き方の性質上, 殆んど常にAIは50%も残存することが判った。