著者
前山 和喜
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.709-710, 2019-02-28

日本におけるコンピューティング史に関する資料保存は,情報処理学会や国立科学博物館による認定に留まっている.この取り組みにより重要な資料が散逸しないようになっているが,組織的に大規模な資料収集や保存をするまでには至っていない.その理由に,コンピューティング史の資料の形態が多様であるという問題が挙げられる.計算機本体や,入出力装置をはじめとする周辺機器のようなハードウェアだけでなく,プログラムライブラリなどのソフトウェア,写真や映像などのメディア資料,マニュアルや教科書,研究ノートなどの当時の技術を示す資料なども含まれる.これらの資料を,歴史研究の観点から考察することで,保存のための枠組みを提案する.