著者
前山 直美
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.309-318, 2020

<p>本研究では,周産期看護職が行う妊婦口腔保健指導の実態を探り,実施の有無に関連する要因を明らかにすることを目的に,神奈川県内5施設の産科病棟および産科外来に所属する臨床経験年数を問わない周産期看護職対象に,妊婦口腔保健指導推進への関連要因に関する自記式質問紙調査を行った。質問紙150部配布,有効回答数121名の結果,周産期看護職が行う妊婦口腔保健指導の実施率は約4割であり,指導場面は妊婦健診や集団指導においてで,指導内容は妊娠に伴う口腔内変化や口腔衛生指導が主であり,妊婦口腔保健指導が十分でないことが明らかになった。</p><p>妊婦口腔保健指導実施有無の関連要因としては,「口腔健康の必要性の認識」,「口腔健康に貢献する意思」,「連携・協働の自信」,「周産期看護職の責任感」および「未来展望」の5因子19項目が特定された。さらに臨床経験年数と口腔保健指導経験の有無の間に,また年齢と口腔保健指導経験の有無の間に有意な関連がみられるという周産期看護職の特性が明らかになった。</p>