著者
前田 恭幸 湯淺 墾道
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2015-CSEC-71, no.12, pp.1-7, 2015-11-27

近年,スマートフォンを始め,パーソナルコンピュータ,タブレット端末,多機能周辺機器などに使用される不揮発性記録媒体のひとつであるフラッシュメモリの普及が急激に広がっている.不揮発性記録媒体のフラッシュメモリを搭載している SSD(Solid State Drive) を調査してみると,SSD 市場の 2017 年までの平均成長率は 39.2%と IT 調査会社 IDC は予測している.SSD には書換え寿命などの対策のため,Spare Capacity 及び Over Provisioned Capacity という予備のデータ保存領域がある.通常の方法ではデータにアクセスすることができないこの領域からデータ復元できたとする報告もある.また,SSD は HDD に比べ,データの記録構造などが異なるためデータの完全復元がしにくいと言われている.デジタル・フォレンジックの観点から,HDD と SSD のデータ復元の違いについて述べる.そして,SSD の Over Provisioned Capacity からの新たなデータ抽出手法を提案する.