著者
加古 大貴 前田 貴彦
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.75-81, 2013-07-20

本研究は、小児看護において入院中の患児と付添い者をケアする上で、男性看護師が認識する困難を明らかにすることを目的に、小児病棟に勤務する男性看護師6名に半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析した。分析の結果、困難として【思春期の女児への羞恥心を意識したケアの実施】【思春期の女児との良好な関係づくり】【男性が苦手な患児のケア】【授乳や母親の入浴場面に遭遇した際の対処】【母親が抱く思いへの共感】【女性看護師とケアを交代する際の調整】の6つが見出された。また、これらの中には成人看護と共通する困難も含まれていた。しかし、〔授乳場面に遭遇した際の対処〕や〔男性が苦手な患児のバイタルサイン測定〕といった小児看護特有の困難もみられた。そして、これらの困難を軽減するためには、基礎教育や現任教育の充実とともに男性・女性看護師が協同していく必要性が示唆された。