- 著者
-
劉 瑞利
- 出版者
- 公益社団法人 日本語教育学会
- 雑誌
- 日本語教育 (ISSN:03894037)
- 巻号頁・発行日
- vol.166, pp.62-76, 2017 (Released:2019-04-26)
- 参考文献数
- 35
本研究は,日本語学習者の「名詞+動詞」コロケーションの使用と日本語能力との関係を明らかにすることを目的としたものである。扱うデータは,「YNU書き言葉コーパス」において下位群,中位群,上位群に分けられた中国語母語話者及び韓国語母語話者の日本語作文データであり,学習者全員が一般的に上級と称されるレベルである。3つのグループにおける「名詞+動詞」コロケーションの使用について調査した結果,以下の2点が明らかになった。①コロケーションの使用頻度は,学習者の日本語能力が上がるにつれ高くなり,日本語能力と正の相関関係がある。②コロケーションの誤用数は,中位群が有意に多いこと,上位群が有意に少ないことが確認された。日本語学習者の「名詞+動詞」コロケーションの習得は,学習者の日本語能力が上がるにつれ,誤用が一時的に増えるが,その後習得が進み,誤用が減っていくという過程を経ることが示された。