著者
加治屋 秋実
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.409-417, 2008-05-31
参考文献数
11

2002年10月7日に伊豆大島で竜巻による突風災害が発生した.この竜巻と竜巻をもたらした親雲について,ドップラーレーダーと地上気象観測資料などを用いて解析を行った.竜巻の親雲は,温帯低気圧の暖域内の潜在不安定でエネルギーヘリシティーインデックス(EHI)が大きし)環境場において発達し,直径約6kmの下層のメソサイクロンをともなうスーパーセルであった.竜巻による突風は,メソサイクロンの渦度が最大に達した直後に発生した.時空間変換解析によると,このスーパーセルにともなうガストフロントが認められ,竜巻はガストフロント付近に発生したと考えられる.