著者
加納 健司
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.138-141, 2020-03-20 (Released:2021-03-01)
参考文献数
3

高校の教科書には,IUPAC方式ではない物理化学的記述が非常に多い。本稿では,高校で学ぶ化学反応速度式や平衡の考え方の問題点に焦点をあて,物理化学的視点から解説する。この中で,平衡点ができる本質は混合のエントロピーに起因することを指摘するとともに,2成分平衡系での平衡点と標準反応ギブズエネルギーの間に見られるシグモイド特性が,反応系に依存せず一般的なものであることについて述べる。