著者
山田 直人 相原 孝典 加藤 幸恵 木村 丘 松井 秀明
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.488-490, 2013 (Released:2013-11-07)
参考文献数
11

水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)感染によるRamsay-Hunt症候群(ハント症候群)はまれに第7,8脳神経以外の脳神経症状を合併することがある.今回,多発性脳神経障害を伴うハント症候群の1例を経験したので報告する.症例は79歳の男性,左耳介部の帯状疱疹,顔面脱力および左の声帯,軟口蓋と舌の麻痺等を認め,第9~12脳神経の障害を伴うハント症候群の診断となった.柳原スコアで6/40と重症であり,入院のうえ,抗ウイルス薬,ステロイドおよび神経ブロック等で治療をしたが,難治性で顔面神経麻痺の改善は乏しかった.それ以外にも嚥下困難や吃逆,誤嚥性肺炎等の対症療法に苦慮した症例であった.
著者
山田 直人 加藤 幸恵 木村 丘 松井 秀明
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.46-49, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
9

難治性の疾患である間質性膀胱炎の下腹部痛に上下腹神経叢ブロックが有効であった3症例を経験した.3症例はいずれも薬物療法,膀胱水圧拡張療法などでは鎮痛困難であった.最初の症例に硬膜外ブロックが有効であったため,より効果期間の長いアルコールを用いた上下腹神経叢ブロックを行った.合併症がなく,痛みは著明に改善した.その経験より連続した他の2症例にも行い,同様に痛みが改善した.今回の経験から間質性膀胱炎に対して上下腹神経叢ブロックの有効性が示唆された.