著者
加藤 智朗
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

当研究室で作成した前脳神経で変異型polymeraseγを発現するトランスジェニックマウスは双極性障害と類似した表現型を示す。このマウスは視床室傍核等の領域において欠失したミトコンドリアDNAを多く蓄積する。視床室傍核がどういった特徴を持つかを明らかにするために、視床室傍核やその他に双極性障害との関連が示されている脳領域を含めてRNAを抽出しマイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行った。その結果、視床室傍核は他の領域よりもミトコンドリア関連、特に酸化的リン酸化に関わる遺伝子の発現が高いこと、コレステロールの合成に必要な酵素をコードする遺伝子の発現レベルが高いことが明らかになった。