著者
加藤 清己
出版者
愛知県立瀬戸西高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

1 研究の目的・意義子ども達の理系離れが叫ばれて久しい。高等学校においても、文理の類型選択に理科や数学を不得意とするおいて多くの生徒が理類型をさけ、文類型を選択する傾向が強い。本校では、文類型で2年、3年で合計5単位生物の授業を行っている。3年生の私立文系の類型では例年時間に余裕があり、実験観察の授業を積極的に取り込んでいるが、必ずしも体系化された授業とはなっていない。そこで、生物の不思議のテーマの基に体系的に計画的に実験を行う。それぞれの実験に際してアンケートを実施する。アンケートで生徒の意識調査をすると同時に、アンケートの質問によって自分の経験を他人に伝える意識を持たせるようにする。2 研究方法・計画次の項目に分け、実験を実施した。(1) 植物の生殖の不思議(1)弾子の観察(2)タンポポの綿毛の観察(3)群落遷移と種子の大きさ(2) 自分の体の不思議(1)スリップ現象(2)網膜(3)立体視の原理(4)反応の速さと心理(3) アントシアニンの秘密(1)アジサイ、紫蘇の葉の色素(2)赤キャベツで焼きそば(3)紫蘇の葉でペークロ(4) 日本人の主食米の秘密(1)古代米の観察(2)発芽玄米のしくみ(3)グルテンの作成(5) 生物の体の不思議(1)ウミホタルの発光(2)折り紙で脊椎動物(3)犬の折り紙3 研究の成果(1) 実験考察の集約(アンケートの実施)(1)興味の有無(2)知人へ話すか(3)自分の子どもに話すか についてアンケート調査した。(2) 集計結果(1) 興味の有無 ほとんどの生徒が実施した実験興味を持った。定期考査の問に対しても正答率が高く、成績がよい、悪いには相関がなかった。(2) 知人へ話すかと自分の子供に話すかは同じ傾向が見られた。まだ実験を行っていないクラスの生徒も、友達からの情報で実験内容を理解しており、興味のある話題については情報伝達が早かった。<アンケート結果>No.1赤キャベツで焼きそばNo.2スリップ現象No.3ウミホタルの発光(3) 自分の子供に伝えたい実験(家でやってみた)<アンケート結果>No.1赤キャベツで焼きそばNo.2スリップ現象No.3犬の折り紙ウミホタルの実験を家で見せたいからどのようにして入手方法の質問が多かったが、高価で、かつ入手方法が特殊なため、残念がる生徒が多かった。