著者
川口 湊 加藤 義幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.データ処理, pp.628-629, 1990-03-14

TEXや、PostScriptの出力処理を高速に行うための高解像度のレーザービーム・プリンタ・システム(LBPS)とそのファームウェア、およびドライバを開発した。文書の作成や編集のためにTEXや、日本語を処理できるTEXシステムであるNTT版JTEXおよびアスキー版日本語TEXを利用する機会が増えてきた。これらのシステムは最近Cバージョン化されて高速の処理が可能になってきた。それにひきかえ、最終出力である紙への出力処理には相変わらず時間がかかり、苦痛を強いられるという場合が少なくない。そこでインテリジェントなLBPSとデバイス・ドライバを開発し、その間でフォントのキャッシングを行うことにより高速で効率のよい出力を実現した。TEXが生成するdviファイルに記録されているフォントを全てキャッシングする。そして、キャッシングされたフォント・データをLBPS内部に保存する。したがって、出力の回数を重ねるほどヒット率が高くなるという特徴がある。また、TEXの出力だけでなくPostScriptを使って作成した図を出力したいとか、TEXの出力にPostScriptの図を挿入したいというときがしばしばある。そういった要求に応えるために、GhostScript(Free Software Fundation, Inc.から配布されているGNU版PostScript)をファームウェア化してPostScriptの高速の出力も可能にした。これらの処理を行うために開発したLBPSのハードウェアの主な仕様を表1に示す。