著者
常深 祐一郎 加藤 豊章 森村 壮志
出版者
東京女子医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

表皮で産生されたケモカインCCL17が皮膚での免疫・炎症・再生に及ぼす影響を検討した。創傷治癒においてはCCL17は線維芽細胞の遊走を促進し、CCR4を発現したNGF産生リンパ球や肥満細胞を集めることにより創傷治癒を促進していることが示唆された。腫瘍免疫においてはCCL17が皮膚での腫瘍免疫を抑制している可能性が見いだされた。また抗アレルギー薬は表皮細胞ならびに真皮線維芽細胞からのCCL17産生を抑制した。CCL17は創傷の治療薬の候補となること、抗アレルギー薬を含めCCL17やその受容体であるCCR4の阻害薬は皮膚のリモデリングや皮膚腫瘍の治療薬となりうることが示唆される。