著者
加賀谷 真澄
出版者
秋田県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究「明治に出版された渡米の手引書に関する研究」は、明治の渡米ブームに乗って海を渡った若者たち(その中でも特に私費留学生)の出身階層を明らかにし、さらに当時の社会が期待した「海外雄飛する青年像」を考察する目的で実施された。「渡米の手引書」や、それに関連する資料を調査した結果、当時の知識人や苦学生の支援団体が、経済的に恵まれない階層の若者をサポートし、米国に送り出そうとする大きな動きがあり、実際に数多くの勤労学生が海を渡ったこと、そして、西海岸より就労も修学も困難である東海岸のラトガース大学に入学していた学生(力行会出身の学生)がいたことが確認できた。