著者
北中 明 下田 和哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.1906-1912, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

原発性骨髄線維症と,二次性骨髄線維症の原因となる真性多血症,本態性血小板血症の3疾患は,複数系統の血球増加,脾腫,髄外造血などの共通した臨床像を呈し,骨髄増殖性腫瘍に分類される.造血幹細胞の自己複製能を亢進させるTET2,EZH2変異と,サイトカイン非依存性の造血細胞の自律増殖を促すJAK2,MPL,C-CBL変異などが協調して発症する.一方,骨髄の線維化,骨硬化は骨髄間質細胞の反応性の変化であり,クローナルに増殖した造血細胞が産生するTGF-βが骨髄の線維化に,線維芽細胞から産生されるOPGが骨硬化に関与している.