1 0 0 0 OA 武将略伝

著者
北尾紅翠斎 画
出版者
蔦屋重三郎
巻号頁・発行日
1790

北尾重政画、武者絵本。寛政2年(1790)正月、江戸・蔦屋重三郎刊、半紙本1冊。手彩色。絵師署名「画図 北尾紅翠斎恭雅」。序、寛政2年(1790)正月、伯楽橋南宿屋□□(飯盛)。宿屋飯盛の序に、耕書堂主人(蔦屋重三郎)は、当時通行の類書が漢文体で、婦女子の理解を超えることを愁い、「この頃、武将略伝を撰ぶ、其書言を彼国の演義に採り、事は国史の正伝を失はす」とあるように、「言」は中国の演義小説体に倣い、「事」は日本の歴史に基づき、武将の遺業について編んだとする。暦応元年(1338)、足利尊氏が征夷大将軍に任ぜられて以来、慶長年間(1596-1615)に至るまでの出来事を虚実取り混ぜ、絵と文で示したもの。取り上げられた武将は、足利尊氏、楠正行、細川頼春、足利義満、今川了俊、赤松満祐、太田道灌、足利義政、細川高国、織田信長、豊臣秀吉など。絵は。重政の武者絵の面目を伺うべきものであるが、第10丁欠丁、序の破れ、いたずら書きなど、保存状態に難がある。(鈴木淳)(2016.2)