- 出版者
- 蔦屋重三郎
- 巻号頁・発行日
- 1700
青本、5冊(合1冊)、題簽「五/冊/物/阿部晴明一代記(あべのせいめいいちだ(た)いき)」「一」「二」「四」が残存。『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)p.93に同じ「四」あり。冊次下に蔦屋の商標、意匠は上下に線描による宝尽くし。画工名無記。柱題「せいめい哥占」。当館本は本文には商標「丸に三鱗」があり、鱗形屋の初印系であるが、題簽は蔦屋の改題系である。題簽欠の初印系本文に、後代(明治以降か)に改題系の題簽を貼付したものと推定される。南山大学図書館本は初印系で、鱗形屋の2枚題簽「阿部/清明/哥占伝(うたうらでん)」が存し、初印の刊年は宝暦中期と推定される。『黄表紙総覧』中編(棚橋正博著、青裳堂書店、1989.9)p.295に「阿部清明一代記」と立項、『新修日本小説年表』『日本小説書目年表』は当館本の墨書により「仮りに本年寛政四年の条に搭載したものであろう。」とあり、蔦屋版は『蔦重出版書目』(鈴木俊幸著、青裳堂書店、1998.12)に「刊年不明」とある。なお、「日本古典籍総合目録データベース」に「阿部清明一代記」(青本)として東京都立中央図書館加賀文庫本を載せるが、柱題の異なる別本。他に京都大学吉田南総合図書館本があり、題簽欠の蔦屋版。